| ここ朝霧高原に中島さん家など、人々が入植したいきさつを教えて下さい。
朝霧高原は、戦後の入植地です。戦後に国の政策で食糧増産のために、1世が入って来たんですよ(※入植者の初代の人達を1世、その子供達の代を2世、さらにその子供達の代を3世といいます。邦造さんは2世です)。長野県の阿南町の人達が中心です。今は2世が中心になっていますが、そろそろ3世の代が始まっています。
入植時の苦労は?
それは1世の方々に聞いた方がいいですね。
今回、朝霧JAMで使用された紙食器を、邦造さんの牧場、なかとみ牧場でたい肥化を試みさせていただいてるんですけど、たい肥というのはなかとみ牧場さんにとって非常に重要ですね。
本来はなかとみ牧場だけじゃなくて農業には大事な分野ですけどね、今、世間で盛んにオーガニック、有機農業とか言ってるのは、本来は当たり前の事。その位、世の中がおかしくなっている。終戦後に、たくさん収穫を上げなきゃいけないということで、化学的なものをどんどん取り入れちゃっている。肥料にしてもそうだし、農薬にしてもそう。そのため土がどんどん死んでいるんですね。土が「死んでいる」という表現はわかりにくいと思うんだけども、本来は土で作物が育つというのは、土の中にいる微生物の働きによるものです。それを化学的なもので全部殺しちゃって、雑草も生えないような土にしている。
土は本来の力を持っている。地球環境も含めて、土がすべての環境を整える。日本の農業の流れの歴史の中では、昔は有畜農業といって、フンが欲しいために家畜を飼ってきた。今の酪農業界では、化学肥料が優先でフンが余って困っている。物質がうまく循環していくのが農業の本来の姿だけど、そのどっかのサイクルが狂っているのが今の農業の姿だね。
それを復権させたいということですか。
復権というか、元に戻すというかね。これは社会の仕組みから狂ってるものですから。今の日本は他の先進諸国と違って自給率が低くなっているでしょ。そこからもう、国自体がおかしくなっている。本来は日本の土で育ったものを食料として、それをみんなが排泄して、その排泄物が肥やしになってまた作物が育つ。本来はうまく循環するんだけど。
酪農界でも、輸入の飼料を入れてきて、それを食べて排泄するものだから、フンが余っているんですよね。それは日本の国全体の食料問題と同じことなんですよ。専門的に、窒素(たんぱく質)の流れで言うと、外国のたんぱく質をどんどん入れて窒素過剰になる。土が、人間でいえば肥満児になっちゃう。それで野菜が苦くなったり美味しくなくなったり、という現象が起きているんですよ。土本来の力を取り戻させるには、微生物を活性化させて、発酵させたたい肥が絶対必要なのです。
朝霧JAM自体も、そういうリサイクルをのぞんでいるので、邦造さんのお話はよくわかります。
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